多いですが、自分なんてそうそう変わりません。
変えられるのは、行動だけ。
……と分かってはいても、できない。
三日坊主が羨ましい。
三日も出来てるんだから!
……と思うくらい、私はモノグサな人間で、
とにかく行動を先送りするのが得意。
「敵は引きつけて撃て」と戦争映画の軍曹殿が
言っていましたが、引きつけ過ぎて、たまに
敵が横をすり抜けていったりする……。
自らの行動力・実行力の無さ、低さを嘆き、
なんで、こんな簡単なことを日々こなすことも
出来ないのか…… とお嘆きのあなたは、
私と同じ穴のムジナですね。
理屈でわかっていてもあまりにも行動できないので、
『動物感覚』を読んで、動物の世界観から自分の感覚を
理解してみようとしたり、
参考 →第1冊 人間だって動物です『動物感覚 アニマルマインドを読み解く』
また、「天の神様の言う通り」に行動していた頃の人間の
精神の状態を知りたくなってみたり 、
参考 →第7冊 神は、まだそこにいるのです 『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』
……と、まあ、傍から見ると大事なことそっちのけで延々本を
読んでいるように見られてますが、まあ、その通りですね。
さて、私がそんなモヤモヤの中で天啓のごとく
出会ったのが
「行動分析学」
……という学問。
心理学の一分野ですが、面白いことに、
意識とかココロの中身とかを問いません。
人間や動物の行動は、環境や、行動にともなって起こる
結果(随伴性)が引き起こす……といった視点の学問です。
つまり人間が行動できないのは、その人にとって気合いや
根性の問題ではない、ということです。
例えば、行動分析学者である島宗理さんの唱える、
「個人攻撃の罠」
という概念。
「われわれは何か問題が起こった時、個人の性格や資質の
せいにしがちだけど、それは問題解決において何の役にも
立たないよ」ということを指摘した言葉なのですが、これ、
もっと広まれば自殺者が減るのではないか
というくらいに素晴らしい考え方だと思います。
「自分の意志の力や気合いが足りないから事態が解決しないのだ」
と自分を責めることで問題が解決することはまずありません。
大切なのは、意志の力も気合いも根性もなくても、しかるべき行動を
とるような仕組みを考えていくこと。
自らをスッカリ根性無しのヘナ○○と思ってしまったご同輩には、
ぜひともご一読いただきたい2冊をご紹介しましょう。
使える行動分析学: じぶん実験のすすめ (ちくま新書): 島宗 理
上で紹介した「個人攻撃の罠」をはじめ、用語の難しい
行動分析学をわかりやすく、しかも実際に役に立つ形に
して紹介して下さっている島宗理さんの著書です。
用語や、具体的に何をするかが難しいと思われがちな
行動分析学ですが、この本に書かれた方法であれば、
実に具体的に、実に気軽に始められます。
この本のタイトルにある「じぶん実験」というのもまた
魅力的な概念で、
行動の諸原理や研究方法を学んで自らが自分の行動を
探求する力をつけること
自分にあったセルフコントロールやセルフマネジメントの……を目的にしたものです。
手続きを開発する方法を手にするということ
要するに、「自分」というブラックボックスの動かし方を探索し、
実際に動かす方法を見つけていくための手引書、ということです。
紹介されている具体例も面白く、人間の行動がこんなことにも
左右されるのか!というのは驚きであるとともに、ちょっとした
救いにもなります。
人生を変える行動科学セルフマネジメント: 石田 淳
こちらも名著です。
結果を導き出すのは「行動」しかありません。
どれほど強い意志があろうと行動なきところに結果は生まれません。
逆に意志は弱くても行動すれば結果は出ます。
わかりやすい「行動」にフォーカスすればいいのに、その前に
「意志」という極めて不明瞭で高いハードルを置いてしまっているのが、
今のあなたです。
しびれます。
『使える行動分析学』が、自分の行動のチェックの仕方に力点を置いている
のに対して、こちらは、具体的にどのような対策で行動を呼び起こすか、
という方法の具体例が紹介されており、2冊合わせると、最強です。
まったく片づけの出来なかった私が、これらの本のおかげで、
ある程度まで片づけが出来るようになっていますので、間違いなく
効果はあります。
心を燃え立たせる系の自己啓発が向かなかった方、
動けない自分が嫌いな方、変なセミナーやプログラムに
手を出すよりは、まずはこの2冊をおためしあれ。