2014/12/20

第40冊 仏教、何となくわかってるつもりの人に 『仏教教理問答 連続対談 今、語るべき仏教』

仏教が、どうにも、いまひとつわからない、というご同輩に
オススメの一冊です。


評論家の宮崎哲弥さんが、仏教界の若手論客たちと
語りまくった一冊。


仏教教理問答: 宮崎哲弥: 本

この本の何が良いって、仏教が「わかった」って思ったら、
それは間違いなのだ、という諦めがつくことです(笑)。
ブッダは筏のたとえでいわれるように、「仏法さえも捨てていけ」と語ります。自分の教えの体系も捨てていけという宗教、ほかにないじゃないですか(笑)。これがけっこう効いている。だから、常に構築したものをはずして組み立て直すということを、仏教はずっと繰り返してきましたよね。異端をいかに内包していくか、消化していくか、仏教の歴史ってそういう歴史ですよ。(p70)

ずっと宙づりにされているようなしんどさがあって、結局そのまま着地させてくれない。ひょっとしたら宙づり状態こそ、仏教が人を育てている力じゃないか、っていう気もするんですよね。(p71)
ある意味でスッキリ、ある意味でモヤモヤする話です。

この宙づりに耐えるのが常人にはナカナカ難しいからこそ、
仏教発祥の地であるインドでは、神様の個性がハッキリ出て
現世利益もわかりやすいヒンドゥー教が台頭し、仏教が衰退
することにもなったのかもしれません。

 参考 → 第38&39冊 今も昔も超能力戦争だ! 『洗脳原論』&『性と呪殺の密教』

神秘体験を通じて、広告代理店勤務から仏教研究者になり
さらには出家した方(!)とか、あの恐山の住職(!!)とか、とにかく
ひとことで仏教者と言っても色んな方がいて、しかも仏教についての
考え方もかなり違っているというのが面白いところです。


そして様々な論者の発言から感じ取れるのは、仏教的な世界観の
豊かさ・深さ。


法事の時だけ仏教と付き合うなんて、勿体ない!

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