基本的には「死体解剖学(by 野口三千三)」であります。
人間の生体解剖は倫理的に問題がありますし、
解剖している時点で、人体は通常とはだいぶ異なる
挙動をしているかもしれないわけです。
人体を小宇宙(コスモとは読みませんよ)と見なす、
東洋医学的身体観が生まれたりするのも、
むべなるかな。
余談ながら、人間の身体の働きを、昔の中国では
「内景図」なる図で示していますが、ググってみると
面白いですよ。人の身体をこんな風に解釈してたのか……!
と。
さて、もとへ。
で、人類の技術の進歩が可能にしたのは、体の奥の、
関節や筋肉の運動を外から観る、という離れ技。
関節内運動学―4D‐CTで解き明かす
4D-CTは、今ではよく胎児の顔を見るのに
使われたりもする技術ですが、いやはや。
これは、関節の細かい動き(上腕骨は確かに
滑りながら転がってるなー、とか)がよくわかります。
AKAなんかで狙っているような「関節内運動(関節包内運動)」を
体の外から生み出すにはどうしたらいいか、というヒントになると
思います。
運動療法の「なぜ?」がわかる超音波解剖
こちらも、超音波エコーの画像で、ストレッチや特定の運動によって
起きる、ナマでは見られない、筋肉のうごめく姿を見てやろう……
というコンセプトの本です。
4Dスキャンに比べると、モノクロな上に平面的なので、
本の解説なしだと解剖学を学んでいてもなかなかイメージ
しづらいですが、筋肉が、ウネウネビクビクユラユラと動くさまが
見えるのは、超音波エコーならではだと思います。
マッサージなどの手技療法はただ揉むのではなく、
筋肉そのものの動きを引き出し、邪魔しないことで、
まったく別次元のように効き方が変わりますが、
皮膚の下で動く筋肉のイメージを、この本で脳内に
焼きつけるのは、それなりに意味があるように思えます。
まあ、たまには治療屋らしい本を読んでますよ、ということで。
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