2014/10/05

第11冊&12冊 もっと人の足下を見る『足の反射療法』&『症例別足もみ療法』

足の反射療法 症例別足もみ療法―1日15分で効果テキメン


■耐えられる痛みは痛みじゃない?
『足裏は語る』と『体癖』を読んだせいでおかげで、
足裏の状態と体の関連を掘り下げてみたくなりました。

ということで、二冊ご紹介。
『症例別足もみ療法』と『足の反射療法』です。

『症例別足もみ療法』の著者、鈴木裕一郎先生は、
靴屋としてドイツのシューマイスターの資格を取得後、
前回紹介した『足裏は語る』の平沢弥一郎先生のもとで
足裏研究の「弟子」となったうえに、今度は中国で
「観趾法」なる足裏療法を学んで帰国した、まさに
足のスペシャリスト。


一方の『足の反射療法』は、プロ仕様の足裏施術の
方法を紹介した本で、近代の足裏療法の祖、米国の
イングハム女史(なぜか、この方は女史をつけて呼ばれる
ことが多い。慣例?)の流れをくむ、ドイツ式の足の
反射療法の本を翻訳したもの。


フットリフレクソロジーの店が至る所にある日本では慰安の
イメージが強く、「治療に用いるもの」というイメージは
あまりない、というのが実情でしょう。


……が、この両書では、かなーりの厄介な病気まで、
ひたすら足を揉み倒すことで治療しています。

『足の反射療法』では、

患者が耐えられる痛さになるまで揉む

という記述がさらりとなされていました。


ってことは、体が悪い場合、施術時間の多くは、
耐えられないような痛み……なわけです。


足ツボ療法は、実際に受けに行った人の話を聞く限り、
メチャクチャ痛いとか、いや気持ちいい程度
だったとか、店や術者、受け手の体調によって
色々な場合を聞きますが、おおむね痛い事自体が
一種のエンターテイメントのようにして
受け止められていることが面白い。


■なぜ足ツボ療法はかくも広まっているのか

曲がりなりにも手での治療をナリワイにしている身からすると、
治すのが目的ならばケチケチせずに、足裏以外も狙って
施術すればいいじゃない、とも思ってしまいますが、
短所と長所は背中合わせ……。


マッサージ師の国家資格を持たない人がリラクゼーションの仕事を
するにあたって選択するには、かなり気の利いた治療法なのでしょう。


なぜなら、足裏揉むだけでは、なかなか重篤な副作用や施術中の事故は
起きづらい(はず)なので。


また、反射区と体の関係が究極的には実証されていない以上、例えば、術後に
内臓の調子がおかしくなっても、術者は「でも足裏しか押してませんよ?」
と居直ることも、できなくはないわけです(どう思われるかはさておき)。


クレームをつけられる可能性が低い手法である、ということは、
経営する、という観点から言えばかなり重要なことですよね。


■セルフケア法のひとつ

あと、足裏療法の何がいいって、自分で自分に出来る事です。


『足の反射療法』は足裏を使った治療法がまだまだ市民権を
得ていない頃に書かれた本であるせいか、自分での施術を
あまり勧めていませんが、『症例別足もみ療法』ではむしろ逆。
自己治療をとことん推奨しております。


……まあ、鈴木先生は治療そのものは生業ではないですから、
そう書けるのかもしれません。


反射区がそこまで人の体の全体を反映しているのか?という
疑問は相変わらずですが、理屈が正しかろうが誤っていようが、
実際にそれなりの効果を実感できている人が少なからずいるのは
間違いなさそうなので、しばらく自分の体で実験してみようと
思います。

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